ブックレビュー「365日,続けること」もんざ著。何かを習慣化したいと思ったら,何をしますか。
もくじ
「365日、続けること。:あなたにも、きっとできる」を読みました
「365日、続けること。: あなたにも、きっとできる」もんざ(著)を読みました。
著者のもんざさんは,2012年から月1回読書会を主催されています(2012年から2018年10月までは東京都内の会場で,いまはフィリピンに住んでいるためオンラインで継続中)。私はその読書会を通じて,彼女を知りました。読書会やその後の懇親会での雑談から,彼女のライフスタイルがだんだん見えてきたとき,読書会以外にも様々なことを続けていると知りました。
オンライン英会話,英語でブログを書くこと,カポエイラというブラジルの格闘技,健康な食事の習慣,興味をもった分野の勉強などなど。もんざさんのブログはこちら。
そして,読書会の2週間前から配信される彼女の「カウントダウンコラム」は,日常生活で起こった何気ない出来事や,本を通じて得た知識を面白く,わかりやすく伝えてくれるだけでなく,それを通じた彼女の考察・意見も知ることができ,読み物としても毎月楽しみにしています。
いったいどうやって,これだけのことを習慣化できているのでしょうか。私以外にも多くの人がもんざさんに質問するようです。そして,この本の冒頭に書いてあるのですが,実はもんざさん自身も,その理由がわかっていなかったそうです。この本を書くことで,その理由がようやく言語化されたというわけです。自分のことって,意外とわかっていないものですね。
本を読んで印象に残ったところ
響くところは人によって違いますし,同じ人が読んでも,いつ読むかによって違いますよね。
私が印象に残ったのは次の箇所でした。
- 第2章 手段 6 やめてみる :無意識に継続しているものをやめてみる。
- 第3章 計画 1 KPIを設定 :考えを保留にするときに,その保留期間にも期限を設ける
- 第4章 実施 2 生産性は横におく :生産性は,継続ができるようになった次のステップ
- 第5章 記録 2 つめこみすぎない :本当に自分が必要とすることにポイントを絞って集中して,基盤をつくる
- 第6章 調整 1 自己分析をする 「情熱スイッチ」(やる気を与えてくれる源)を知る
- 第7章 成果 3 残酷な事実 「やればできる」は刃物のようなキーワード
- 第7章 成果 4 ひとり旅のすすめ 非日常の旅で感じたことを日常で使っている手帳などに記録する
様々な本が紹介されています。まず読んだ本とやったこと
本文中,様々な文献が紹介されています。欄外にタイトルと著者とアマゾンのリンクが張られているので便利です。早速買ったのは,「ずっとやりたかったことを、やりなさい。」ジュリア・キャメロン (著)でした。そういえばこの本,もんざさんがすごくおすすめしていたなあ,と思い出しました。そして,ひとり旅をしました。金沢21世紀美術館をお目当てに,あとはそれほど予定をつめこみすぎず,往復の新幹線から始まり,食後のひととき,美術館での展示の合間。1泊2日でしたが,ゆったり時間がたくさんありました。自分の内面に向き合う時間をとること,そして出てきたものを言語化する,見える化するということ。私は行動することが先にきてしまうタイプなのですが,人生の目的とか,そのためには何をどうしていきたいのかとか,長期的な考えをまとめておくと,いざ何か具体的な行動をするときに,それは自分の望む方向なのか?の判断が早くなると思いました。
もんざさんは2018年秋に転職し,今はフィリピンのマニラで働いていらっしゃいます。最初に転職先が海外ときいたとき,ものすごく驚いたのですが,英語を習得したいという目標を実現する手段として,きわめてロジカルな選択ですよね。とはいえ,誰にでもできることではないだけに,改めて尊敬しました。
やりたいことをやるためには,〇〇〇〇を決めること
私は2019年から,逆算手帳というツールをつかって,My Wish List(やりたいこと)100やDo Not List(やらないこと)を書き出すことをしています。人生でかなえたいこと,こうありたいと願っていることを考え,さらにそのために10年後,1年後までに,どうしたらよいのか,どうなっていたいのかを含め,フォーマットに従って言語化するツールです(全部を書ききることはいまだできていないのですが。)。
その過程で改めてわかったことは,自分がいかに欲張りかということ。本当にそれらを全部を叶えたいなら,日々こうして生きている時間の1分1秒たりとも,無駄にできないということ。1年365日は8760時間です。そして睡眠時間(私はだいたい7~8時間なので7.5時間とします)を除くと,1日の活動時間は16.5時間です。わかっていても,なぜか今やらなくてもどこかで帳尻があうはず!と思い込んで,目の前の家事雑事をすませることに追われたり,せっかくの空き時間にはネットサーフィンをしてしまいます。
それはなぜかというと,結局は,人生の時間の使い方を真剣に考えていないということにつきます。「あれもこれも」とつめこみ,「本当にやりたいこと」に絞っていない。やろうとしたことが実現できなくても「まあ,いっか。だって〇〇だったし。」と,やらなかったことを正当化し、自己肯定感をかろうじてキープ。自分でコントロールできない理由ならやむをえませんが,そうでない場合のほうがほとんどです。「やらなくてもよかったこと」のために,貴重な人生の時間を使ったなんて…もったいないですよね。
「365日,続けること」にも,やりたいことをやるためには,「やらないことを決めて,やらないこと」,というシンプルな法則が書かれています。
つまづいたり,行き詰まったときは,ナビゲーターとしてこの本を開くことにします。