初秋の鎌倉へ週末旅行。おいしいお料理,花の東慶寺,そしてホテルのライブラリーに魅せられました。
初秋の鎌倉へ週末に一人旅をしてきました。
初日は北鎌倉駅に近いイタリアン,タケル・クインディチにて,遅めランチからスタート。超人気店ですが,今なら予約がとりやすくなっているそうです。ランチは12時~と14時~の2回転。私は14時に予約しました。
この週は仕事が忙しく,ちょっと疲れがのこったまま鎌倉へ向かいましたが,お店に入った瞬間から,期待で胸が膨らみました。美味しそうなお料理ができあがるキッチンが目に飛び込んできたのです。スパークリングをいただきつつ,カウンター席でのんびりとお料理を堪能しました。
いただいたのはCランチ。前菜盛り合わせ,オリーブと鰤(ぶり)のパスタ,相模豚のロースト,食後はカプチーノ。
お店のすぐ隣にある東慶寺は,縁切り寺,駆け込み寺として知られていますが,お花のお寺としても有名です。小菊,ホトトギス,リンドウ,ススキ,などなど,秋の草花を愛でてきました。
円覚寺は,北鎌倉駅からすぐ,山門が見事な禅寺ですね。この山門が出てくる小説「門」を書いた夏目漱石は,ここで座禅を組んだそうです。私も2年前の夏,こちらで参禅しました。座禅会は誰でも参加できますが,コロナの影響で今はお寺での参禅が休止となっています。代わりにオンライン座禅会が開かれています。
北鎌倉から,ホテルのある長谷まで小一時間のお散歩。グーグルマップをたよりに,亀ヶ谷切通しを抜け(結構な急坂),扇ケ谷の今小路を鎌倉方面へ。この界隈はセンスの良いセレクトショップや飲食店が並び,鶴岡八幡宮当たりのいわゆる観光地っぽいお店とは一線を画していました。いわば裏鎌倉ですね。
18時,長谷のホテルについたときはすっかり暗くなっていました。海がすぐ近く,空には満月。
泊まったのは友人から教えてもらったaiaoiという小さなホテルです。古い雑居ビルのなか,知る人ぞ知る存在。外観からはホテルがあるとはわかりません。
私はシングルベッドにロフトのついたお部屋でした。ホテル入口はカフェになっています。カフェの器やカトラリーも素敵なのですが,宿泊者用スペースのインテリアや調度品は,もう,すべてがアートでした。お部屋,共用スペース(トイレ,シャワールーム,ライブラリー),リネン類。細部までホテルオーナーのこだわりを感じます。アンティークが好きな人にはたまらない空間でしょう。
昼食が遅かったので夕食は軽くすませようと,鎌倉駅近くの美味しいパン屋さんでパンを調達しておき,ホテルオリジナルの珈琲とともにいただきました。
23時にベッドに入ったものの,あまり眠くありません。カフェインの影響だったのでしょうか。そこで,ライブラリーコーナーにいってみました。うわ,本のセレクトもすごくツボ…!
部屋に持ち帰って読んだのは,「センス・オブ・ワンダー」レイチェル・カーソンの名著です。自然のなかに身を置き,五感をつかって自然を感じる体験こそが好奇心や探求心をそだてる。彼女の経験に基づくお話でした。この日,この本に巡り合ったセレンディピティに感謝です。
翌日は海を眺められるホテルのカフェで,純和風の朝食をいただいて,チェックアウト。鎌倉に住む登山ガイドの友人と落ち合って,観光やグルメを満喫しました。
旅の締めくくりは,女優田中絹代の別邸だったという古民家を改築したレストラン,幻董庵(げんとうあん)での懐石料理。器もお料理も工芸品のように繊細で,秋のあしらいもお見事でした。
おいしいパン屋さん,飲食店,社寺が点在していて,海も山もあって。鎌倉はとても素敵なところですね。東京駅から1時間と近いので,日帰りでは何度か来たことはあるものの,泊まったのは子供のときの家族旅行以来でした。
こうして泊まってみると,時間のゆとりもできるし,朝や夜の海を眺めることもできたし,日常のあわただしさから物理的にも離れることで,とってもリフレッシュできました。これからも季節ごとに訪れたいです。